TA2020アンプキットを改造した
実験も終わったとこで、若松通商のTA2020キットをいよいよ改造。
改造内容
参考にさせていただいた主なサイトはこちら:
出力フィルタのコンデンサを交換
使用部品:コンデンサ Panasonic ECQE2 250V 0.22μF×6
C14・C15・C16・C18・C19・C20のコンデンサ。かんすぴのスピーカーユニット「FF85WK」のインピーダンスは8Ω、ということで、TA2020のデータシートに従って、6個のコンデンサをの容量を0.47μFから0.22μFに変更。
カップリングコンデンサを交換
使用部品:コンデンサ Panasonic ECQE2 250V 2.2μF×2、Panasonic ECQE2 250V 0.1μF×2
C9・C12のコンデンサ。2.2μFと0.1μFをパラで接続すると歪みが減るという記事があったので、真似してみた。
2.2μFのフィルムコンデンサが届いたときはそのデカさにびっくり。基板にはIN1・IN2の穴も使ってやや強引に取り付けた。
電源平滑コンデンサを追加
使用部品:コンデンサ MUSE FW 16V 3300μF×3
12V電源のノイズを除去するためのコンデンサ。MUSE FWがよく使われているようだったので、これを採用。
3つパラで並べて合計9900μF。キットに元々付いているものも加えれば、9900+(220+0.1)×2=10340.2μF(で合ってるかな?)になる。
突入電流対策は特になし。
+5Vの別電源化
使用部品:三端子レギュレータ 5V1A NJM7805FA、Panasonic ECQE2 250V 0.1μF×2、ダイオード 1000V1A 1N4007、OS-CON 16V 100μF、放熱器、放熱シート
三端子レギュレータはセオリー通り、保護ダイオードとノイズ除去用のコンデンサと組み合わせて用いる。念のため放熱器も付けておいた。
TA2020の30ピンをニッパーでカットし、三端子レギュレータで作った+5Vを5VGENに接続。
+5V部分のコンデンサも交換した。C1・C3のコンデンサを取り外し、C1の方のみOS-CONを取り付けた(C3の方は何も付けない)。熱に弱いらしいのでヒートクリップを使って慎重に半田付けした。
DCオフセット回路の追加
使用部品:抵抗 1MΩ×2、半固定ボリューム 20kΩ×2、コンデンサ Panasonic ECQE2 250V 0.1μF×2
参考サイトの通りに、オフセット調整回路を設置。
半固定ボリュームは50kΩを買おうと思ったが、売り切れだったので20kΩにした。20kΩでも調整は問題無く行えた。
うまく調整して、オフセットを0.3mV以下にまで減らすことができた。
ポップ音の除去
使用部品:トグルスイッチ 2回路2接点
リレーで遅延回路を作る作例が多く見つかるが、電源が入っている間(少量とはいえ)リレーに常に電流が流れ続けるのはちょっと気になるし、遅延時間の計算は難しいし、部品の設置スペースもそんなに余裕があるわけじゃない。
そこで、もっと簡単な方法は無いかと考えてたどり着いたのが、「手動でスピーカー接続をON/OFFすれば良くね?」という手抜きな方法であった。
改造箇所は、OUT1の+/-の間、OUT2の+/-の間にスイッチを1個追加するだけ。
あとはアンプを使うときに、電源をONにした後、3~4秒経ってからそのスイッチをONにするようにすればOK。手順が1つ増えるけどまぁこれぐらいはね。
ヒューズを追加
使用部品:ヒューズ、ヒューズホルダ
作業は自分なりにキッチリ行っているつもりだが、なにせ素人なので、ハンダ付けの不良とかがあるかも知れないし、使っているうちに部品が外れたり変なところに接触したりして万一のことがあっては大変。というわけでヒューズを追加。
容量は試行錯誤で決めた。何種類かの容量のヒューズを買ってきて、容量の小さいものから順にセットして試したところ、500mAでは切れたが1Aでは切れなかった。従って1Aのヒューズを使用することにした。
部品の取り付けはユニバーサル基板に
電子部品は小さいユニバーサル基板に半田付けし、基板同士はケーブルを直接半田付けしてつないだ。
サイズが大きい電源平滑コンデンサは、寝かせて接着剤で固定するといった方法もあるようだが、なんとなく抵抗があったのでこれも基板にキッチリ取り付けることにした。
ケースを交換
使用部品:タカチ YM-180
キットのケースは小さくて明らかに入りきらないので、一回り大きいケースを購入。
ホームセンターでレンタルした電動ドリルで穴を開け、リーマーで穴を広げ、ヤスリできれいに削った。粉を吸い込むと体に良く無さそうなのでマスクを着用。穴開けはキットを組み立てたときもやったけど、正直これが作業の中で一番大変だった。
基板の固定は、秋月で売っていた「貼り付けボス ASR-6」を使った。基板に穴を開けてネジで止めるのが通常のやり方っぽいけど、穴を開けるのが面倒なので簡単な方法が無いかと探していたところに見つけたのがこれで、裏側がシールになっていて基板にぺたっと貼り付けられる。これならケースに穴を開けなくて済むし、貼り付ける位置も自由に決められる。まさに「こういうものが欲しかった」と思えるものだった。
しかし大きさがちょっと大きかったので、カッターで切って少し小さくして使った。
またシャーシアースは、ケースにネジを1本つけてラグ端子で固定した。
ぐちゃぐちゃなアンプ内部
完成!
幸い1発で動いた。
2時間ほど音楽を再生した時点で、すでに改造前より音質が良くなっているのが分かる。ほっと一安心。
改造前の音がこもった感じはすっかり無くなり、音が非常にクリアになった。
そして1ヶ月後
音の響きはかなり効いている。エージング中はやたら高音が強くなったりして「本当にこのままで大丈夫なのか?」と不安になったが、それもだいぶ落ち着いてきてなかなか良い感じに。でもまだちょっと高音が強いような気がするので、後日測定してみる予定。
それでも、小さなかんすぴからこれだけの音が出るんだから満足度は高い。改造は全部一気に行ったので、どれが一番効果があったのかは不明だけど。
客観的に良い音なのかどうかも正直よく分からないけど、偶然できたオリジナルのこの音を楽しむのもそれはそれで悪くない。
ポップ音は手動スイッチを使えば全く鳴らない。なお手動スイッチを使わなくても、DCオフセット調整が効いているのか、改造前よりもポップ音はだいぶ小さくなっている。改造前は「ボンッ」と鳴っていたのが、改造後は小さく「プツッ」と鳴る程度。これぐらいなら手動スイッチを使わなくても大丈夫かも知れない(せっかく付けたけど)。
後になって1つ思ったのが、フィルムコンデンサにPanasonic ECQE2ばかり使ったが、他の種類も混ぜるべきだったかも知れない。同じ種類のものばかり使うとその特性が強く出すぎるとのことなので。